- 教育活動(高校)
高2 探究クラス 海外研修(11日目・最終日)
研修最終日となる11日目。
旅の終着点となるカオハガン島で過ごす一日です。
「何もないけれど、豊か」
まさにその言葉がぴったりと当てはまる小さな島です。
面積はわずか五万平方メートルほど。1時間もかからず島を1周できてしまいます。
そんな島には、約700人の島民が穏やかに暮らしています。
海で獲るのは自分たちが食べる分だけの魚。
電線や水道管といったインフラ設備もありません。
必要以上のものは持たず、あるものを大切に分かち合いながら生きる。
そんな姿は、生徒たちが普段触れている “豊かさ” とは違う価値観を静かに語りかけてくれました。
〇カオハガン島へ上陸!
港を離れ、ボートで島へ向かう時間。
風を切る音、透き通る海の青さ、遠ざかっていく街並み。生徒たちの表情には、期待とわくわくが自然とあふれていました。
島が近づくにつれ、海の色はより透明に変わり、木々の緑が鮮やかさを増していきます。
上陸した瞬間、「きれい…!」と、思わずこぼれる感嘆の声。
そこに広がる景色は、言葉では言い尽くせないほどやさしく、どこか懐かしい雰囲気をまとっていました。
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最初に、この島で結婚・生活をしている日本人「ゆうこさん」から島の暮らしや文化についてお話を伺いました。
生活の工夫や島民の習慣がクイズ形式で紹介され、生徒たちは笑顔で参加。
いただいたマンゴージュースは、島の空気のように優しく、自然の恵みそのもの。
到着して数分で、すでに島のあたたかさに包まれているようでした。

〇夢でつながる時間
続いて訪れたのは、カオハガン島の小さな学校。
そこで生徒たちは、島の子どもたちと「夢」をテーマにしたワークに参加しました。
小学生の子供たちには、英語での表現が完璧に通じるわけではありません。
それでも、表情やジェスチャーを交えると、そこには自然な会話が生まれていきます。
「大きくなったら何になりたい?」
問いかけると、島の子どもたちは少し恥ずかしそうに、でも真っ直ぐに夢を語ってくれました。
その言葉を、日本の生徒たちが一生懸命に書き取り、一つの大きな布の上に“木”として表現していきます。
島と日本、それぞれの子どもたちの夢が重なり、枝を広げ、ひとつの作品が完成しました。
異なる国の子どもたちが「夢」でつながり、それが形として残る。
この特別な時間は、生徒たちにとって忘れられない出会いになったと思います。
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余談にはなりますが、島の二大人気スポーツはバスケットボールとバレーボールです。
本校のバスケ・バレー部の生徒たちと一緒に笑顔で遊ぶ子どもたちの姿がとても印象的で、スポーツの人と人をつなぐ力に触れることができた瞬間でもありました。

〇“何もしない”という豊かさ
最後の1時間は島での自由時間となりました。
海に足をつけてはしゃいだり、島民の方と世間話をしたり、木陰で寝転んだり…。その過ごし方は人それぞれ。
中には、あえて“何もしない”ことを選んだ生徒もいました。
椅子に座り、ただ風の音に耳を澄ませ、波のリズムに身をゆだねる。
ゆったりとした時間の流れに身を置くことで、「日常」がふっと遠のき、自分の心と静かに向き合うような時間になっていたようです。
ゆうこさんが話してくれた、
「幸せ=感性。心の豊かさが、その感性を育ててくれる」
という言葉が、生徒たちの中で深く響いたのも印象的でした。
“幸せは持ち物の量ではなく、感じられる心がつくるもの”
そんな気づきを生徒たちは自然と受け取っていたように思います。
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〇そして帰国へ
12日目早朝、生徒たちは11日間を過ごしたセブ島を後にし、無事に日本へ帰国しました。
多くの出会いと経験が、生徒の心を大きく揺さぶり、価値観や視野を大きく広げるきっかけになったことと思います。
語学をはじめとした研修プログラムには苦労もあったことと思いますが、そのすべてが、生徒たちのこれからの人生に寄り添い、支える力となってくれるはずです。
このような充実した期間を過ごせた裏側には、本当に多くの方々の支えがありました。
プログラムの運営に携わっていただいた皆様、セブ島で出会った多くの方々や子供たち、そして、陰から暖かく支えていただいた保護者の皆様に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

この経験を胸に、帰国してからの学びはさらに加速していきます!!
これからの探究クラスの活躍にもご期待ください!







